オープン・スペース 2016 メディア・コンシャス

オープン・スペース 2016 メディア・コンシャス
会期:2016年5月28日(土)—2017年3月12日(日)
会場:NTTインターコミュニケーション・センター [ICC]
開館時間:午前11 時— 午後6時
休館日:月曜日(月曜が祝日の場合翌日),年末年始(12/29–1/4),保守点検日(8/7,2/12)
入場無料
主催:NTTインターコミュニケーション・センター [ICC]

ICCでやっていた、メディア•アート作品の展示。
閉館1時間前に立ち寄ったのだけど、もっと早く来れば良かったなと後悔。
併設しているスペースではこども向けワークショップを充実させている通り、
「こども科学館」の発展系だった。

発展系とはこども騙しではないという意味。
本展示会で披露される科学と技術と発想と発展は、
年齢で差別することなく、
不思議を求めるものに対して平等に許容されると思う。

さて、先日リリースされたばかりのポケモン GO において、
ポケモンを捕獲する際に「ARモード」なる機能が実装されている。
ARとは 拡張現実(かくちょうげんじつ)の意である。

これに関連する作品として以下を取り上げる。
《The Mirror》 [2015]“The Mirror”
藤井直敬+GRINDER-MAN+evala
ICC | 《The Mirror》 (2015) http://www.ntticc.or.jp/ja/archive/works/the-mirror/

SRシステム(Substitutional Reality System:代替現実システム)は,理化学研究所脳科学総合研究センター適応知性研究チームによって開発されました.これまでのVR(ヴァーチュアル・リアリティ),AR(オーギュメンテッド・リアリティ)などの「仮想を現実に近づける」技術とは異なり,過去を現在と地続きのものとして挿入することで,現実と仮想の境界を取り払い,体験者の経験する主観的な「現実」そのものに影響を与えるものです.

ヘッドマウントディスプレイとヘッドフォンを装着し、液晶画面の前に着席。
ディスプレイの中には「過去に記録された映像」と「今(正確には数秒前)に記録された映像」がミックスされた映像が出力され、自らの視界を覆う。
まるで仮想に自らの身体の一部が取り込まれたように感じられる…。

しかし、やはり、その境界のつなぎ目はまだザラザラしていて、
液晶の解像度の低さが残念だった。意識すれば容易にこちらに戻ることができる。
精度が再現なく高まれば、森 博嗣著「有限と微小のパン」のラストシーンを体験できることもできるのか、とわくわくした。
こういった技術は、こういった技術でしか体験できないことに希少性があるので、それを体験できるその日まで生きていられればいいなと受け身に考えた。

にしても、面白い作品がありすぎて、言葉に困る。

ICC | 《あなたは、翌日私に会いにそこに戻ってくるでしょう。》 – 津田道子 (2016) http://www.ntticc.or.jp/ja/archive/works/you-would-come-back-there-to-see-me-again-the-following-day/

フレーム、ミラー、映像、これらの配置、角度が絶妙であった。
ふらふらと移動する監視員は、映像に変化を与える為に、意図的に移動をしていたはずだ。

ICC | 《ポートレイト・オン・ザ・フライ》 – クリスタ・ソムラー&ロラン・ミニョノー (2015) http://www.ntticc.or.jp/ja/archive/works/portrait-on-the-fly/

こどもが喜びそう。情緒がある。

ICC | 《Body Paint – 46inch/Male/White》 – エキソニモ (2015) http://www.ntticc.or.jp/ja/archive/works/body-paint-46inch-male-white/

まるで絵画作品っぽく見せる為の処理が施されている。
しかし、液晶の解像度は上がったものだ。前情報無しで見ていたら、
本当に箱の中に白塗りの人が入っていると思ってしまうではないか。
液晶ごと絵具がラフに塗られている、その感じも好き。

ICC | 《マシュマロモニター》 – 岩井俊雄 (2002) http://www.ntticc.or.jp/ja/archive/works/marshmallow-monitor/

大学時代に同級生が触れていたMax/MSPやJitterを思い返した。
インタラクティブアートの引き金として、周りでは用いている人が多かった。
引き金とは手段と言い換えることもできて、これに限らず、手段や引き出しは多いにこしたことはない、あとは適切なタイミングと理由付け。

見せる情景は誰しも一致しない、どんな情景が見えているか、など想像するしかない。感覚器官の中でも視覚が上位を占める人々が大多数の中、得られた視覚情報の優位性をぐらつかせる作品はもっとあって良いと思うし、
それにメディア•アートは適している。夢もある。

ICC | 《チジキンクツ》 – 赤松音呂 (2013–15) http://www.ntticc.or.jp/ja/archive/works/chijikinkutsu/

展示室内には,コイルが取り付けられたグラスが数百個並んでいます.それぞれのグラスには水が入っており,磁化した縫い針が浮かんでいます.針は地磁気の作用によってどれも南北を向いていますが,コイルに断続的に流れる電流による磁場変化の影響を受けて,ときおりガラスに当たって繊細な音を発します.

展示会の目的からは離れてしまうけど、もっと色数を減らした会場で拝見したかった作品。視覚情報を極限まで減らした空間が最適だった。

照明も、光量もあんなに必要ない。
やっと輪郭を見つけられるだけの光と静寂があればいい。
異なる場所で出会えたら、もっと好きになれる作品だと思った。
恵まれていたのは、自分がこの会場に訪れたときに他に来場者はおらず、
一人でこの空間のただ中に身を置けたことである。
自分以外の誰かが不純物に思えてしまうから。

他にも沢山作品があって、うろたえている合間に閉館時間。
来年3月までと長期間の開催であるので、また見に行くかもしれない。
初台にお立ち寄りの際には是非ご覧を。入場無料です。

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