先回りの目的

昔の話。職場に向かう途中にある喫茶店で、毎朝、アイスティーをテイクアウトしていた。アクセスも容易で、年単位で習慣化していた。また、私は冬場でもアイスティーを注文し続けた。

数ヶ月ほどしたら、列に並んでいるだけで、現在対応中の業務と並行して、アイスティーを作り始めるようになった。更に、より多くのスタッフに「いつもアイスティーを頼む人」と認識されたようで。レジの店員が忙しいときは、周りのスタッフが事前にアイスティーを準備してくれるようにさえなった。

素早い対応はとてもありがたい。しかし、店に入った時点でメニューを決められてしまうと、他のメニューを頼み辛い。たまにはアイスコーヒーを飲みたいときもあったが。彼らの姿を見ると、アイスティーしか頼めなかったのだ。

最終的には、その店が混雑具合が酷くなり、行くのを辞めてしまった。

他には、行きつけのラーメン屋がある。年単位で通っているので、最近は好みの味なども覚えてくれている。しかし、前述のコーヒーショップと違って、「○○でよろしいですか?」と毎回確認をしてくれる。あくまでこちらから「○○でお願いします」と聞く手間を省いているだけ。

お客様の試行を先回りし、手間を省かせる行為はだいたい、ポジティブな評価を得るとは思うが。人間は複雑系なので、ある程度のゆとりを持たせておかないと、不自由さを感じさせてしまう例もあるよという話。

前者の場合は、効率化。
後者の場合は、親近感。

行為は似てても、意志が異なる。