着地方法の価値、ルートの美

漫画の「こち亀」は全200巻、「ワンピース」は86巻(2017年8月現在)が刊行されているようですが、私はどちらの方が全巻読破に取り組みやすいかというと、前者の「こち亀」です。

現段階のボリュームでいえば、前者のほうが2倍の紙幅を有していますが、トータルのボリュームが決まっているため、精神的なハードルが低いのです。終着点を想像するのって、実はとてもハードワーク。

ランニングをするときも、コースが事前に決まっている方が楽だと感じる。コースを決めずに走っていると、永遠に走り続けなくてはいけないように感じる。そう、勝手に感じている(と思い込んでいる)だけのことです。

「プレゼンでは結論は先に述べる」というテクニックも、スタートとゴールを先に示すことで、距離感を理解させ、安心させるという効能を狙っているのでしょう。この要点さえ保持できれば、聴き手はルート指示に従えば良い。誤解も避けやすい。従ってスライドには、この道筋を示しておくべきでしょう。

また、発信者自身が迷わぬように用いるテクニックでもあり、ドラマチックな運びが期待される場(新商品発表等)には適さないでしょう。

雑談と呼ばれる日常会話に対しても、人が求めるのは、山あり谷ありのドラマチックなコンテンツ(話題)です。従って、今度はギャップを意識し、より強い印象を与える構成が求められる。前述のテクニックとは異なり、予測できない結末だったけど、見事に着地する様が評価されるようになるのです。洋画を鑑賞していると、雑談もプレゼンの場なのだということを強く感じます。